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京都鳳舞系とは

京都の中華といえば鳳舞。京都の料理人のほとんどがその名を知っていると言っても過言ではありません。京都市北区の紫明通りにあった広東料理店でした。平成21年に閉店し現在その味を味わうことはできませんが、今でもファンが多くいます。店内の様子は、ロックバンド「くるり」の「三日月」という曲のPVや、映画「新・仁義無き戦い」で見ることができます。その鳳舞を語る上で欠かせないのが、この店を創業した高華吉さんです。

高華吉さんについて

京都には100年以上の老舗が数多くありますが、中華料理店については横浜初の中華料理店「聘珍楼」さんが明治17年創業(1884年)に対し、京都初は祇園に出来た「支那料理ハマムラ」さんが大正13年(1924年)創業と後発組でした。その「支那料理ハマムラ」さんに料理長として迎えられたのが高華吉さんでした。開業当初は、和食の街そして花街という場所柄、京都風へのアレンジが必要で非常に苦労をされたそうです。

鳳舞について

高華吉さんは「支那料理ハマムラ」での成功後、独立し中華料理店を作りました。最初に開店したのが姉小路通河原町西入ルと木屋町通三条上ルの「飛雲」、その次に開店したのが「第一樓」、最後に開店したのが高さんの集大成的な「鳳舞」でした。最後の店舗「鳳舞」が、味はもちろん店内の装飾なども印象深かったため一般的には「鳳舞」系となっておりますが、高さんのお弟子さんの間では「飛雲」系と呼ぶことが多いそうです。また、京都には中華料理の系譜がもう一つありそちらは「盛京亭」系と呼ばれております。「鳳舞」系が広東料理ベースなのに対し、「盛京亭」系は北京料理ベースとなっており現在は八坂神社付近の祇園商店街近くにお店を構えていらっしゃいます。私たち鳳焼売の師匠は「鳳舞」系「第一樓」で修業をつみ、京都で30年もの間中華料理店を経営しておりました。ただ、どのお弟子さんも「飛雲」系「鳳舞」系とは言いますが、「第一樓」系とは言わないそうです。

京都風中華とは

京町屋で出される中華料理や京野菜を使った中華料理ももちろん京都風中華ですが、よく言われるのは、お座敷に「におい」を持ち込むことを良しとしない祇園などの花街で育ったにんにく控えめ、油控えめ、強い香辛料を使わないあっさり中華という特徴があります。また、鶏がらと昆布でとったスープをお料理につけるのも京都風ならではの中華と言えます。味についてはあっさり系のため、他県では毎日中華料理となると胃がもたれるというイメージがありますが、京都では「毎日でも食べることが出来る料理が中華料理」と京都の老舗料亭「菊乃井」の主人であり、NPO法人日本料理アカデミー理事長や「現代の名工」など数々の受賞歴がある村田吉弘さんも姜尚美さん著「京都の中華」という本でお話されています。京都市民の外食といえば「中華」と相場が決まっているほど京都の街に溶け込んだ料理となっていおります。